罰ゲーム
今日はディパバリ、光の祭典とのことで、インド人街ではイルミネーションが美しいとのこと。
Day 8
今日は月曜日だが、国民の休日ということで、ワタルもゾーイお休み。仕事のないハンさん夫妻も昼前に来られた。今日は「ディパバリ」、英国では「ディワリ」と言う。ヒンドゥー教の新年である。多民族国家のシンガポールでは、通常の新年の他に、中国の新年である「春節」も祝い、それにこのインドの新年も休日になる。また、イスラム教の「イード」も休日。キリスト教の復活祭も休みである。
「どの宗教にも顔を立てて、お休みにしちゃうんだ。」
まあ、色々な宗教の人が混ざって働いている職場なんかを考えれば、それぞれの宗教のお祭りを休みにしてしまえば、丸く収まる。ちなみに、地球上には何千という宗教がある。そこで定められた新年を全て祝うとすると、一年、三百六十五日、毎日が休みになるという話を聞いたことがある。(冗談かも知れないが。)
昼食に、イーストコーストのホーカーセンターに行く。ここは、ワタルのおすすめのチキンウィング(鶏手羽)がある。シンガポールで一番に美味しいという。確かに香ばしくていける。ココナッツジュースを飲みながら食べる。今日は、ナニーのペリンも参加。
昼から、妻と土産を買いに出る。今日はグオさんが夕飯を作ってくれているので、早く帰る必要はない。買い物を済ませた後、スーパーの前のバーでビールを飲む。暑い国では冷たいビールが特に美味い。
「ふたりだけの休暇もたまにはいいね。」
最近、ホリデーに、娘たちも一緒に来ることが多かった。娘たちは三十歳を超えたがまだ独身。パパとママと一緒に休暇を過ごしてくれるというのも悪い気分ではないが。しかし、たまには妻と二人の旅行というのもいい。
今日はグオさんが夕食当番。彼女は二時間以上台所に立っている。六時半ごろに完成。茄子の挽肉挟み揚げ、ロースマリーの香りのステーキ、青菜の炒め物、キュウリの酢の物・・・そして、鶏肉、タケノコ、椎茸、昆布の煮物が出てきた。
「和食に挑戦してみたかったのよね。」
彼女も初めて作った献立だという。向こうも、日本人の親戚が出来たので、研究をしている。気合が入っているなあ。どれもプロの味。ゾーイは、こんなお母さんの家に育ったんだ。舌が肥えているのもうなずける。
夜、ハンさん夫婦は帰り、ゾーイは先に休んだ。ワタルと僕と妻は、バルコニーでポーカーを始めた。僕はとことんついてなくて。二回「ハコテン」になってしまった。
「パパには罰ゲームがあるんだ。ウィスキーを飲まなくちゃいけない。」
とワタル。そして、ワタルが出してきたのは、サントリーの名酒「山崎」だった。
「負けてよかった〜。」
ココナッツジュース、水で当たることの多い熱帯では、最も安心して飲めるドリンク。