マレーシアに避暑?!
熱帯の海で波と戯れる子供達。
クリスマスに、砂浜でビールを飲みながら、海を眺めていることができるなんて、最高。でも赤道直下の日差しはさすがに強い。
四時ごろに砂浜を退散することになった。またホテルを横切ったのだが、ホテルのプールを見て驚いた。回教徒の女性が、身体中を覆う黒い服を着て、ベールを被ったままプールに入っているのだ。
「そんなしてまでプールに入りたいの。」
と質問したくなってしまう。
「ここはドバイとかから『避暑』にくるアラビア人が多いの。金持ちなのね。それに、同じモスレムの国だから、来易いのでしょうね。」
とチズコが言った。
「ええ、マレーシアみたいな『暑い国』に『避暑』に来るの。」
と僕が驚く。
「あっちは五十度くらいになるらしいよ。」
とジェイソンが言った。
太陽に当たって疲れたのか、帰りの車の中でチズコと子供達は眠り、アパートに帰ってからジェイソンはソファで眠っている。
日が暮れた。今日はペナン最後の夜。
「今日は『スチームボート』へ行くわよ。」
とチズコが言った。何のことが分からないまま、今日も彼等に付いて行く。そこはレストラン、どのテーブルの上にも、携帯コンロにドーナッツ型の真鍮の鍋が乗っている。
「鍋物屋さんだったんだ。」
とやっと理解する。
チズコがアンケート用紙みたいなものに何やら記入をしている。それは、「何を鍋に投入したいか」という注文書であった。
注文したフィッシュボール、野菜、肉、餃子、海老、魚などがどんどんワゴンで運ばれてくる。チズコは最初に大量のニンニクを鍋に投入する。その後、ジェイソン、子供達も一緒になって運ばれてきた材料を鍋に投入する。
鍋の中は鶏のスープのようだ。熱々を、ビールで口を冷やしながら「ハフハフ」言いながら食べる。
食事のとき、ふたりは最近「結婚式」の写真を撮ったという話が出た。
「あれっ、ふたりが結婚したのは何時だったかな。」
と考える。婚姻届を出した時、ジェイソンは既にマレーシアにいたので、ふたりは結婚式を挙げていなかったという。結婚式の写真がないので、今回、友達が、その写真を撮る費用と段取りを二人にプレゼントしてくれたそうだ。何とも泣かせる話だ。
服を着て、ベールをしたままプールに入っている女性がいた。一応、あれで「水着」なんだそうだ。