女性の黒くて長い服の下は?

 

死海を望む展望台の上で。向こう岸にエリコの町が見える。

 

帰り道、死海パノラマという施設の博物館と展望台に寄る。この施設は日本の援助で建てられたものだそうだ。博物館の入り口で、説明をしてくれた若い女性が、

「どちらからおいでになったのですか。」

と聞く。日本からだと言うと、

「この施設、実はJICAの援助で建てられたんですよ。」

と彼女は言った。そこでG君がすかさず、

「私、JICAの者です。」

という返事。僕は京都四条の「いずもや」のコマーシャルを思い出した。(京都以外の人は分からないネタですみません。)

博物館での説明によると、死海に流れ込むヨルダン川の水量が減って、死海の水位は毎年下がっているという。その傾向がこのまま続くと、死海そのものが干上がってしまう日も近いそうだ。それを避けるために、紅海から水を引く計画もあるようだ。

展望台から死海を見下ろす。エリコ、エルサレムなどイスラエルの町が遠くに見える。「約束の地」、パレスティナが、正に本当に足元に広がり、それが余りにも近いことに驚く。

もし、死海の水面が、普通の海面と高さまで水があったら、この辺りは死海の数十倍の巨大な湖となっていただろう。大部分の分が蒸発して、足元にある死海にわずかに水が残っているだけというのが、上から見ると良く分かる。

死海からひたすら坂を上がってアンマンに戻る。途中で、トマトやカリフラワー、バナナなどを満載したトラックを追い抜く。また、道路脇では、オレンジを売っている。死海の畔は、温暖で湿気も多く、野菜などの作物が育ち易いという。死海の畔では、Tシャツ一枚で少しも寒くなかったが、アンマンに近づき、標高があがってくるにつれ、気温が下がってきた。

アンマンに戻ってアパートで夕食を取った後、G君と僕は近くのショッピングモールに出かけた。基本的にロンドンのそれと大差はない。女性のファッションの店には、同じような服が並んでいる。

「しかし、待てよ。」

僕は歩みを止めた。ショーウィンドウの中には、結構大胆なミニスカートやスリップドレスが並んでいる。しかし、目の前を歩いている女性の殆どは、頭にスカーフ、足首までの長いコートを着ている。一体、これらの大胆な服は、何時、何処で着られるのだろう。家で?それとも、あの長いコートの下に、こんな服を着ているのだろうか。誰か女性と話す機会があれば、是非この点を聞いてみようと思った。

 ちなみに、ご主人がJICAのシニア協力隊員で、アカバにお住まいだった井上有香さんの著作によると、ヨルダンの女性は、頭から被る布、ヘジャーブと、長いコートの下、結構派手な格好をしているとのことだった。

 

女性の格好を除けばロンドンのショッピングセンターと変わらない。

 

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