ミニ同窓会も悪くない

 

 

七夕飾りに、願い事を。北野天満宮。

 

僕が日本到着して十日ほどして、パリオリンピックが始まった。日本は、「メダルラッシュ」とか言われて、結構盛り上がっていた。日本選手が金メダルを取った、「スケートボードで階段の手すりを滑り降りる競技」を、ニュースで何回も繰り返している。

「良い子の皆さんは、真似をしないでね。」

と言いたくなる。しかし、最近は、オリンピックにも色々な(変な)種目があるものだ。今回は、ほとんどオリンピックの中継を見ないままに、ゲームは終わってしまった。旅行中は、夜ホテルで見ていたが、京都に戻ってからはほとんど見なかった。母の家では、テレビが台所にある。僕は二階で生活していたから、ほとんど見る機会がなかったのである。今回、全てを忘れてノンビリするために、日本に滞在しているのだし。今回はオリンピックを見るほかに、もっと他に大切なことがあるし、まあええか。

 七月六日に、高校の同窓会があった。おそらく、「コロナ後」初めての同窓会だと思う。出席したかったが、その日僕は、ロンドンで最後の授業日、学習発表会を終えた後、先生方と飲みに行っていた。同窓会が翌週だったら参加できたのに。

「タッチの差というところで残念!」

来年は参加したいものだ。

僕が京都を去る三日前、幼馴染のGくんが、他の同級生を誘って飲み会、いわばミニ同窓会を企画してくれた。場所は北大路駅の上の居酒屋。参加してくれたのはGくんのほかに、YさんとJさんという二人の女性だ。お二人とも会うのは十年ぶりくらい。しかし、何年も会ってなくても、すっと会話に入れるのが同級生。

Yさんが、

「今年、トルコへ行ってきてん。」

「おやまあ、どうして?」

息子さんが結婚された相手が、ウクライナ人。その親御さんに会うのに、さすがにウクライナで会うわけにいかないので、日本とウクライナの「中間」のトルコで会うことにしたという。最近は、友人の子供さんの結婚相手も、どんどん国際的になっている。僕の息子も、嫁さんが中国の人なので、新しい親戚と話すために、僕と妻は今中国語を勉強している。Yさんにしても、息子さんの結婚をきっかけに、新しい世界が広がっていく。とてもいいことじゃないだろうか。

 Jさんは美術館の学芸員である。九月から彼女の働く美術館で「春画」の展覧会が開かれるとのこと。招待券を貰った。僕は行けそうにない。家に帰ったら、招待券を見た母が、

「行ってみようかな。」

と言った。

「お母ちゃん、これ『春画』やで。」

 

 

これも、北野天満宮。縁日は暑さのせいか、店も人出も少なかった。

 

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