お昼ご飯
渡月橋の袂で記念撮影をする中国人のお姉さんたち。
京都観光をした日は気温が三十三度まで上がり、結構暑い日だった。途中コンビニに立ち寄り、水を買う。シンガポールから来られた方には、普通の気温だろうけど。寒い国から来た僕には、ちと暑い。M運転手、なかなか良く気が付く人で、駐車場の少し手前になると駆け出して、先に車まで行ってくれる。そして僕らが着くころには、エアコンが入って車内が涼しくなっているというわけ。日本のサービスは本当にきめ細かい。
さて、次の目的地は嵐山である。車は、竜安寺、仁和寺、広沢池を通り、二十分くらいで、嵐山に着いた。天龍寺に車を停めて、渡月橋まで歩く。何時もながら、渡月橋からの眺めは素晴らしい。金閣寺よりは空いていて、渡月橋の上には二十人ほどの人がいるだけ。そして・・・その二十人が、僕と運転手氏を除いて、皆中国人だったのである。すれ違う人が皆中国語を話している。
「嵐山って中国人に人気があるんですね。」
とMさんに言う。
「周恩来の碑があって、そこが中国人に人気があるんですよ。」
周恩来(チョウ・エンライ)は中華人民共和国建国時からずっと、首相として毛沢東を助けた人物である。日本にも住んでいた。彼の書いた詩の石碑が、嵐山にはあるとのこと。それをハンさんに説明する。彼は「嵐山」を「ランシャン」と中国語風に読んでいる。緑の山、川、青い空、そこに架かる木の橋。中国人じゃなくても、風情を感じる場所である。
ワタルから連絡があり、ゾーイが元気になったので、清水寺で合流するとのこと。バスで清水寺へ向かうという。一時半に会うことになった。予定に余裕がありすぎ、竹林も含めて、嵐山を見終わったのが、十一時頃、そのまま清水寺に行ったのでは、ワタルとゾーイに会うのに早すぎる。
「どこか一ヶ所追加で回れませんか。」
とM運転手に尋ねる。
「この近くじゃ、松尾大社がいいんじゃないですか。」
というご推薦に従って、僕たちは「松尾大社」に行った。これが、意外に良かったし、ハンさんご夫婦に受けた。何より、人が少ないのでノンビリ感がある。「酒造りの神様」とのことで、何十個という酒樽が積んである。エレンさんはそれが気に入ったようで、何枚も写真を撮っている。松尾大社を出るとボチボチ昼食の時間。彼らは最近、ずっと日本料理を食べているし、今朝も和食だったし、たまにはコーヒーとサンドイッチもよいのでないかと思い、二寧坂のスターバックスでの昼食を予定していた。
「清水寺の近くでお昼にしたいんですが、何を食べたいですか。」
と念のためにおふたりに聞く。
「ラーメン!」
というエレンさんの希望が通り、僕たちは五条坂のラーメン屋で豚骨ラーメンを食べた。
松尾大社に積まれていた酒樽。色々なデザインがあり、見ていて飽きない。