どうしてイギリス料理店が日本にないの?
疑問その四:「どうしてイギリス料理店が日本にないの?」
答えはいたって単純。「不味いから。」あったって誰も食いに行かないよ。
英国で英国料理を食べて驚くのは、コクのなさである。英国人は先天的に「旨味」、「出汁の味」、「コク」などを理解する舌を持っていないと思う。パブなどで料理を注文しても、味がない。塩をかけようが、胡椒をかけようが、それは補正しようがない。それは、「コク」がないからである。有名な高級レストランなら少しはましかもと思い、日本から会社の重役さんが来られたとき、ロンドンで一番高級とされる、ロンドン・ストランドの某英国料理レストランで名物のローストビーフを注文してみた。基本的に同じであった。
検索エンジン、グーグルで、「XX料理、京都」と入力し、何件ヒットするかを調べたのが以下の表である。
「イタリア料理店」百九十八軒、「フランス料理店」百五十三軒はさすがに予想通りであった。「インド料理店」が結構多いのには驚いた。そして、「イギリス料理店」が二軒あったのにも驚いた。
「誰が食べにいくねん。」
しかし、その土地の食べ物が不味いということで良いこともある。日本で中華料理を食べるとどこか日本風の味付け、ドイツでイタリア料理を食べるとどこかドイツ風の味付けになっている。つまり、その土地の味に影響を受けているわけだ。しかし、英国には他の料理に影響を与えるようなものがない。だから、英国では、中華料理にしろ、インド料理にしろ、「オリジナルの味」が残されており、それを楽しむことができるのだ。実際英国で食べる中華料理やインド料理は結構いける。英国を旅行される方には、英国料理は避け、「本場の」中華料理、インド料理を召し上がることをお勧めする。
ここで、英国の名誉のために付け加えておきたいが、英国にも誇れる食べ物はある。それは朝食、「イングリッシュ・ブレックファスト」である。フランスの典型的な朝食は、クロワッサンとカフェオレ。ドイツやオランダの典型的な朝食はパン、ハムとチーズとコーヒー。日本人には、ちょっと物足らない。その点、フル・イングリッシュ・ブレックファストは豪勢である。
l トースト
l カリカリに焼いたベーコン
l ソーセージ(たっぷりとマスタードを付けて)
l 焼いたトマト(これが意外に上手い)
l 焼いたマッシュルーム
l ベークド・ビーンズ(豆のトマトソース煮)
l ハッシュブラウン(ジャガイモのパンケーキ)
美味しいし、ボリュームも満点。と言うことで、英国を旅行される方の食事は、朝は英国風、昼は中華、夜はインドというのが良いパターンだと思う。お試しあれ。