カラオケ

ホテルについてくつろぐ面々。これから浴衣に着替えて風呂に行きます。

 

日本人は一様にカラオケが大好きです。(中には嫌いな人もいるでしょうけれど、おしなべて。)そもそも、「カラオケ」は日本語で「歌のないオーケストラ」の意味、「ツナミ」、「カンバン」などと並んで、世界中で通用し、他に言い方のない「世界語」になってしまいました。(ちなみに「カンバン」と言うのは、トヨタが考案した、視覚的な在庫管理の方法です。)

一月二日、「箱根駅伝」の第一日目のゴールを見て、昨夜からまた積もった雪を片付けた後、妻と私、義父母、妹、妹の息子(つまり甥)の六人は、午後三時ごろに金沢を発って、車で山城温泉に向かいました。山城温泉はその辺りでは結構有名な、「ホット・スパ・リゾート」です。温泉に向かう途中、吹雪になり、厚い雪で覆われた道路脇の信号が、見えないこともしばしばでした。

「加賀地方に大雪警報(バッド・ウェザー・アラーム)がでたよ。」

と運転をする甥が言いますが、四輪駆動のバンは雪の中でも快調に走ります。一時間ほどで山城温泉の街に着きました。私たちの泊まるホテルは丘の上、雪の積もった坂道を登らなければなりません。普通の車ならかなり苦労するだろうところ、四輪駆動の車なので無事辿り着けました。

私たちが今日泊まるホテルは、この温泉街でも場所的にも一番高いところにあります。(おそらく値段も一番。)湿り気の多い大粒の雪が降りしきる中、玄関に車を停めると、数人の男性従業員が傘を持って待っています。玄関に入ると、今度は女性の従業員が、並んで待っています。

「いらっしゃいませ。」

従業員が並んでの出迎え、これが日本の温泉の普通の到着風景なのです。私たちは部屋に入り、浴衣(簡単な着物の一種)に着替えました。普通、家族で温泉へ行ったときは、皆が同じ部屋で過ごし、眠るのです。

温泉に来て、最初にすること、もちろん、風呂に入ることです。義父と甥と僕の三人は、階下の大浴場にいきました。「大浴場」とは言うものの、ちょっと小ぶりな感じ。もうもうとした湯気で、二十メートル先の向こう側の壁が見えません。温泉の楽しみは、何と言っても屋外にある「露天風呂」。雪の降りしきる中、滑らないように気をつけて外に出て、露天風呂に浸かりました。

「こいつは最高。」

冷たい雪が頭を冷やすのは気持ちの良いものです。一緒に浸かっている人は、京都の隣の滋賀県から来られたとのこと。京都付近も大雪で、列車が一時間近く遅れたそうです。大雪で皆が迷惑しているのでしょうけれど、雪を見ながら入る風呂はとても風情があります。

 夕食は、別の部屋で食べました。この辺りでは、カニが冬の味覚。ひとりに一匹ずつ、結構大きなカニが添えられています。その他にも、十皿以上の料理がずらりと並んでいます。その料理を見てまず思ったのは、

「こんなに沢山食べられるか。」

と言うことでした。前日までも、義父母の心遣いで、ご馳走をたっぷり食べていましたから。

何とかご馳走を片付けて、その後は家族で「カラオケ・ルーム」を借り切ってのカラオケ大会。今時の若者である甥や、ベートーベンの「第九」を歌った義母は、歌が上手いのは予想していましたが、義父や妹も結構上手い。本当に、日本では、カラオケが社会の隅々まで浸透していると思いました。

 

立派なカニが真ん中に鎮座しています。結構手強そう。

 

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