京都の田舎

 

免許更新の時間を待つ間、東本願寺を見学。遠くから見るとデカいが、近くに来ると余計デカい。

 

「こことちゃいまんなあ。初回更新の方は、『運転免許試験センター』の方に行ってもらわんと。」

と「運転免許更新センター」の職員が言った。二年前、京都にいたとき、僕は、英国の免許を日本の免許に書き換えた。その第一回目の更新を、今回の帰国中のやる必要があった。京都府警のホームページを見ると、免許更新は京都駅前の「運転免許更新センター」で出来るという。それで、京都に着いて三日目の朝、僕はそこに行ったのだった。ソウルに取り残されていた荷物は、翌日に到着。まあ、着替えなどは母の家にあるので、大して困ることはなかったのだが。

ともかく、羽束師(はずかし)という場所にある「運転免許試験センター」へ行かなければならなくなった。午前中の受付には間に合わず、午後一時半の午後の部に行くことに。時間があるので、京都駅のすぐ近くの東本願寺に行ってみる。入るのはおそらく初めてではないかと思う。メチャ大きな屋根だけは外から見ていたが。ちょうど、春の法要の最中ということで、観光バスが、門前にバンバン並んでいて、日本全国から来られた、浄土真宗の門徒さんで、賑わっていた。

「これも、待ち時間の有効利用。」

まだ行ったことのない場所を、つぶしていこう。

午後十一時になったので、京都駅から地下鉄に乗り、「運転免許試験センター」に向かう。二年前、免許を取るときにも、そこに行った。京都市の南の端。とても不便な場所だったことを鮮明に覚えている。竹田駅で地下鉄を降りる。センターへのバスは一時間に一本だという。そのバスは十五分前に出ていて、四十五分待つ破目に。幸い、天気は良いし、暖かいし、バス停で中国語のポッドキャストを聴きながら待つ。しかし、グチも出る。

「しゃああけど、きょうび、京都市内で、一時間に一本しかバスが走らない場所があるなんて信じられる?」

センターでは、二時間、怖くて悲しいビデオを見せられて、その後、無事新しい免許を貰う。センターから外に出ると、竹田駅行のバスが二時間後までない。

「ちょっとちょっと。どないせえっちゅうねん。」

クラッと来たが、目の前に、阪急バスが停まっているのが見える。この手があった。

「阪急電車で帰れる!」

方向は全く逆だが、このバスで長岡天神まで行って、阪急に乗り、四条烏丸で、地下鉄の乗り換えてれば家に帰れる。頭の中で「グーグルマップ」が完成。僕はそのバスに飛び乗った。長岡天神駅で阪急電車に乗り換える。それも特急。やったあ。関西の私鉄って、特に特急って、けっこう速くて乗り心地がいいのだ。競争が激しいからだと思う。時間にして十五分ほどだが、久しぶりに阪急特急に乗れて、なんだか嬉しい。つくづく乗り物が好きなのだと思う。

 

ど田舎にあり、バスが午後は二時間に一本しかないという試験センター。皆、車で来るのかな、でも、免許を取りにくる人は?

 

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