エピローグ

 

真夏は暑すぎて、こんなことはしてられない。

 

コルフ島に八日間滞在した後、五月三十日に英国に戻ることになった。コルフ島にいて、何が一番印象に残っていることは・・・

「やっぱ、阪神タイガースの連勝かな。」

僕が島にいる間、タイガースは一度も負けなかった。インターネットの発達した世界の便利な所は、どこに居ても、日本にいるときと同じような情報が得られること。日本が午後八時頃に差し掛かる午後四時ごろから、僕はちょいちょいスマホに目をやり、野球の途中経過を追い始め、日本が真夜中になるギリシアの夕方には、「プロ野球ニュース」を見るのが日課になっていた。

「やった〜。」

と僕が叫ぶ。妻がこちらを見る。

「阪神、勝ったん。」

妻は慣れっこになっていて、もう驚かない。まあ、そんな意味でもいい休暇になった。

 三十日の午前十時、僕とスミレは車で、妻とミドリはバスでホテルを後にした。ケルキラの街に入り、ガソリンを満タンにし、空港の近くで、レンタカーを返す。八日間で、五千円くらいしかガソリンを使わなかった。遠出はパレオカストリッツアまでしかやってないし。食事はホテルで済ませ、お土産も買っていないので、到着した日、ユーロに替えた金は、ほぼ手つかずのまま財布の中に残っている。その意味では、安上がりの休暇だった。

「次もオールインクルーシブにしようね。」

と妻と話す。

 飛行機は、午後三時にケルキラ空港を出発、三時間の飛行の後、午後四時にルートン空港に到着した。(二時間の時差があるので)タラップに立つ。

「さぶう〜。」

気温は十二度だった。ギリシア帰りには応える気温。

「コルフ島は、暑くもなく、寒くもなく、最高の気候やったね。」

と妻と言い合う。七月に入ると、ギリシアの島々は四十度近い暑さになる。その意味では、ちょうど良い時にギリシアを訪れることができたと思う。また近いうちに、ギリシアに行けるといいのだが。何より、これからも、阪神タイガースの快進撃を期待したところ・・・どうかな?

 

カシオピの街の可愛い教会。素朴な建物もいい。

 

<了>

 

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